2011年11月28日月曜日

NPS研究会 会員会社へのインタビュー!(初)

こんにちは、村上です。
やっと研究対象であるNPS研究会の会員会社の方にインタビューすることができました!フィールドに出てインタビューを行うことが井上ゼミの調査の特徴と以前のブログで書きましたが、4月ごろチームを組んで、やっと11月末に対象企業にインタビューに行くという井上ゼミらしくない研究スタイルになってしまいましたが、とりあえずインタビューに行くことができてホッと一息。

インタビュー先は「株式会社キッツ」(企業webサイトはこちら)というバルブを作っている会社の方した。売上高にして500億円以上という大きな会社の方にインタビューすることが出来ました。しかもなんとお会いして下さったのは取締役会長とNPS社内実践委員をやっていらした技監のお二人でした!我々のような学生にお会いしていただけるなんて本当に感動的でした。紹介してくださった松尾先生には感謝してもしきれません。

また前回、松尾先生から「学習や模倣のフレームワークをしっかりと押さえること」とアドバイスをいただいたため、インタビューに行く前までに学習論のレビューを行いました。CiNiiなどで論文を検索し、たくさんの論文を読み、インタビューに備えました。
このようにしっかり準備をした今回のインタビューで聞けたことはなんなのか。
・学習のジレンマを引き起こさないために同業他社は研究会に入れないこと。
学習のジレンマというのは、お互いに「自分は教えたくないけど、相手には教えて欲しい」という状況になってしまい、結局どちらも何も学べなくなってしまう状況のことを指します。これは「学ぶ相手が競合企業」ということが原因になり、強みが流出してしまうことを危惧し起こってしまいます。NPS研究会では競合企業を入れないことによって、原因を取り除き学習のジレンマが起こらないようにしていることがわかりました。

・会員企業同士でフィードバックをしあい、学習効果を高めていること。
報告会や工場見学などで会員企業同士が、とても厳しくフィードバックすることが頻繁にあるそうです。これによって、自分たちだけでは上手くできなかったことも死に物狂いで行なうようになり、学習が成功するようです。

・組織には慣性の力が働くため、新しいものを浸透させる際にはたとえ自分が嫌われ役になろうとも推し進めなければならないということ。
組織には「そのままでいたい!」というような力、すなわち慣性の力が働きます。新しいものを導入する際には、この慣性が障壁となります。これを乗り越えるためには嫌われ者になることも辞さない強烈なリーダーシップを持つことが重要だそうです。また一度新しいものを導入することができても、すぐに元に戻そうという力が働くため、少しでも傾向が見られたら、すぐに正すことが大切ということもおっしゃっていました。

これ以外にもたくさんのことを伺うことができました。やはり経営陣の方というだけあって、非常に多くの知見が頭の中に蓄えられており、一言一言がとても勉強になりました

今回はNPS研究会の会員会社の方にお話を伺いましたが、会員会社だけの意見だけではなく、運営している側の意見もお聞きしたいと考えております。次回はNPS研究会を運営している方へのインタビューをお届けします。

2011年11月14日月曜日

首都大学への訪問~チャンス到来~

こんにちは、NPS班の浦谷です!
前回のブログで平田が少し書いていましたが、今回は以前インゼミでお世話になった首都大学の松尾先生へのご相談が実現したので、そのことについて書かせて頂こうと思います。(松尾先生、この件については本当にありがとうございました!!)

松尾先生は自動車産業を専門分野とし、調査手法に関しては主にグラウンデッドセオリー・アプローチをとられている方です。グラウンデッドセオリー・アプローチとは、簡単に説明すると、対象の観察やヒアリングいった質的調査を通して収集した情報から、具体的な分析法を提示し、新たな理論の構築を目指す調査手法のことです。詳しく知りたい方はグレイザーストラウス著、後藤隆水野節夫大出春江訳(1996)『データ対話型理論の発見調査からいかに理論をうみだすか』を参考にしてみて下さい。
定性研究となる私たち自動車班は、かねてからご相談を熱望しておりました。
井上先生の紹介のもと、松尾先生は快く引き受けてくださり、今回首都大学へ訪問しました。
松尾先生にNPS研究会についてお聞きしたところ、以前NPS研究会について調査をしていたことがあり、また、そこでのトレーナー教育を受講し実際に工場のラインで改善活動をしたことがあるということがわかりました!
(「自ら現場にいかなければ、本当にわかったことにはならない。」という松尾先生のお言葉、研究者としての姿勢に感銘をうけました!)
私たちは、このような他に類を見ないNPS研究会の成り立ちや実際にどのような指導が行われているかという点に興味を持っていたため、トレーナー教育の様子などをお話していただきました。そして最後に、当時の調査分析報告書を電子資料にして下さり、また、なんとNPS研究会の会員企業に紹介してくれるとおっしゃって下さいました!!
今まで文献や書籍をひたすら漁ってきたNPS班にとって、これはとても大きなチャンスです!!

また、インタビューにかんする注意事項も教えていただき、現場での意見に流されすぎて結局聞きたいことが聞けなくなってしまうこともあるため、模倣や学習に関するフレームワークをもっと抑えた方がいいという松尾先生のアドバイスをいただきました。このアドバイスのもと、きたるインタビューの日に備えていきます!
次回のブログでご報告できればと思います。

それでは!