2011年12月23日金曜日

ケースを書いてみたものの

こんにちは、村上です。前回のブログでは、面白さが伝わるようなケースを書いてみることになったとお伝えしました。


このため私たちは、お手本となるモデル論文「伝統産業のビジネスシステム―350年間続くサービス産業「京都花街」のダイナミズム―」を参考に、アウトラインを書き、ケースを仕上げました。
この論文の内容が本になっているものは、以下の『京都花街の経営学』です。

京都花街の経営学
京都花街の経営学西尾 久美子

東洋経済新報社 2007-09
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ケースや論文といっても、さまざまな型があるため、お手本があるのとないのとでは進めやすさが大きく異なります。このモデル論文を参考にアウトラインを書くのですが、アウトラインというのは簡単に言えばおおまかな流れです。論文を書く際の骨組みとなるものです。
たとえばこのブログでしたら

・前回の振り返り
面白さが伝わるケースを書くことになった
・書くときの流れ
モデル論文を参考にし、アウトラインを書き、ケースを仕上げる
・モデル論文を参考
モデル論文を参考にすると書きやすい
・アウトラインを書く
そもそもアウトラインとは、論文を書くための骨子となるもの


このようなものがアウトラインです。(だいぶ大まかに書いていますが…)。アウトラインが出来たあとは、最後に文章にするだけです。

このような流れでケースを書いていったのですが、先生がイメージしていたものと少しズレてしまっていたようで、「面白くない」と言われてしまいました。
私たちはあまり理論の視点はいれず、面白くしようと事実をともかくたくさん盛り込もうと考えていたのですが、逆に視点が定まらなかったため、読みづらかったことが原因だったようです。


これから卒業論文の執筆に当たるわけですが、次回はしっかりと理論を意識した構成で描いていければと考えています。

2011年12月15日木曜日

冬合宿を終えて~理論と事例の間で~

こんにちは、浦谷です。冬合宿に行ってきました!今回の冬合宿は長野県の八ケ岳で行いました。八ヶ岳という場所柄、ちらほらと雪が積もっていました。






私たちの合宿は、基本的に研究班ごとで現段階の研究を発表し、各自がフィードバックをしていく形式をとり、研究の質を高めていくといった位置付けで行います。
(※ 夏合宿の記事は こちら )



なので、合宿前は特に気合が入るのです!私たちの班も、文献に加えて今まで行ったインタビューの情報を盛り込み、万全を期して臨みました!

しかし、フタを開けてみるとなかなか辛辣なコメントが・・・
特に問題だったのが、NPS研究会でみられる事象を理論にあてはめようと意識するあまり、その面白さが伝わらないという点でした。
たとえば、「従来の組織学習論でいわれてきた学習のジレンマを、NPS研究会では「一業種一社」という制度を設けることで、それを回避し、互いに教えあう環境が生まれている」といった説明を羅列したところで、NPS研究会で起きていること、効果的に学習しているそのメカニズムを十分に描くことはできません。

そこで、私たちの今後の研究の進め方として、まず事例研究としてのケースを書いてみるということになりました。その際、あまり理論のことを意識せずに、単純にNPS研究会のすごさが伝えられるよう、事例を整理して書いてみては、というアドバイスをいただきました。
せっかく集めた情報が、理論に引っ張られてつまらないものになってはもったいない。研究を面白いものにするためには、まずケースを書いてみるという方法もあるということを学びました。

ちなみに、ケースを書くときのお手本として、西尾先生の『伝統産業のビジネスシステム―350年間続くサービス産業「京都花街」のダイナミズム―』(一橋ビジネスレビュー)を参考にすることになりました。この研究は「何故京都花町は350年にわたりサービス産業として継続してこられたのか」という大きな問いに対して、制度という観点から説明しているものです。芸舞妓の人材育成の仕組みから、お茶屋を中心とする取引制度に触れ、「京都花街」で起きている様々な事象を、上手く描いています。

私たちの班もこの論文のように、NPS研究会の全体像とその面白さを上手く伝えられるように、ケースを書いていこうと思います!

それでは!

2011年12月6日火曜日

NPS研究会会長へのインタビュー!

こんにちは。お久しぶりです、平田です!

前回はNPS研究会の会員会社の方にインタビューを行いましたが、今回はなんと・・・・・僕らの研究しているNPS研究会の創始者であり、 NPS研究会の運営会社であるMIPの会長兼社長である、木下幹彌様とNPS推進室長の川崎享様へのインタビューを敢行してきました!!
( NPS研究会についてはこちら )


NPS研究会自体が多くのメーカーの集合体であるということを考えれば、本当に偉大な方とお会いすることができたのだと感動しています。前回もそうでしたが、我々のような学生という身分でこんなにも偉い人にお会いしていただけるなんて滅多にあるもんじゃ無いと思います!なにせ会長の中の会長と言っても過言では無いのですから。
さすがNPS研究会の創始者ということだけあって年齢を思わせないほど(昭和4年生まれだそうです!)、熱意に溢れた方でした!  「なにも隠すことはない。」とどっしりと構えていながらも優しくお話をしていただき、楽しいインタビューでした。

今回のインタビュー先は創始者の方であるため、どのような経緯でNPS研究会ができたのか、NPS研究会のそれぞれの取り組みがどのように行われているのかということを中心に伺いました。さまざまなことを伺うことができたのですが、今日は印象に残った一つを紹介したいと思います。

それは「社長の志」についてです。
NPS研究会ではNPSという経営システムを会社に導入するにあたって、社長の志というものを本当に大事にしているのだなと思いました。まず、NPS研究会では「NPSを企業の経営思想として共鳴・共感する社長であること」 という入会資格を設けているんです。しかし、すぐに入会できるわけではなく、本当にやる気があるかどうかを判断するための試用期間が長くて3年もあって、そこで見込まれてやっと入会という厳しい道程なんです。木下会長も「工場長に社長権をあげるくらいのつもりでやらないとだめだ」とおっしゃっていました。本当に社長が自ら先頭に立って現場を想って推進していかないとだめなんですね。

「モノづくりはヒトづくり」ともおっしゃっていましたが、やはりヒトをつくるのはヒトで、その鏡となる人物が社長なんですね。かくいう木下会長もその社長を束ねる長としての鏡たる方でした。話の随所に現れる「志」や「思想」、「理念」といった言葉にはとても重みがありました。実際に会長は自社株を一つも持っておらず(創設者にもかかわらずですよ!)、会員会社が全部持っているのだそうです。それは「真剣勝負をしないと今日にでもクビになる」ようになっているのだとか。まさに社長の鏡なのではないかと思いました。

「日本のモノづくりの思想を後世に伝えていく」という大きな志をもった会長のお話を伺うことで、組織におけるトップの重要性を書籍ではなく、肌で感じることが出来てよかったなあ。としみじみ思いながら今日は筆を置くことにします。

12月に冬合宿があるため、これからフィールドワークで得た情報をまとめていこうと考えています。次回は冬合宿の様子をお知らせしたいと思います!