2011年12月23日金曜日

ケースを書いてみたものの

こんにちは、村上です。前回のブログでは、面白さが伝わるようなケースを書いてみることになったとお伝えしました。


このため私たちは、お手本となるモデル論文「伝統産業のビジネスシステム―350年間続くサービス産業「京都花街」のダイナミズム―」を参考に、アウトラインを書き、ケースを仕上げました。
この論文の内容が本になっているものは、以下の『京都花街の経営学』です。

京都花街の経営学
京都花街の経営学西尾 久美子

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ケースや論文といっても、さまざまな型があるため、お手本があるのとないのとでは進めやすさが大きく異なります。このモデル論文を参考にアウトラインを書くのですが、アウトラインというのは簡単に言えばおおまかな流れです。論文を書く際の骨組みとなるものです。
たとえばこのブログでしたら

・前回の振り返り
面白さが伝わるケースを書くことになった
・書くときの流れ
モデル論文を参考にし、アウトラインを書き、ケースを仕上げる
・モデル論文を参考
モデル論文を参考にすると書きやすい
・アウトラインを書く
そもそもアウトラインとは、論文を書くための骨子となるもの


このようなものがアウトラインです。(だいぶ大まかに書いていますが…)。アウトラインが出来たあとは、最後に文章にするだけです。

このような流れでケースを書いていったのですが、先生がイメージしていたものと少しズレてしまっていたようで、「面白くない」と言われてしまいました。
私たちはあまり理論の視点はいれず、面白くしようと事実をともかくたくさん盛り込もうと考えていたのですが、逆に視点が定まらなかったため、読みづらかったことが原因だったようです。


これから卒業論文の執筆に当たるわけですが、次回はしっかりと理論を意識した構成で描いていければと考えています。

2011年12月15日木曜日

冬合宿を終えて~理論と事例の間で~

こんにちは、浦谷です。冬合宿に行ってきました!今回の冬合宿は長野県の八ケ岳で行いました。八ヶ岳という場所柄、ちらほらと雪が積もっていました。






私たちの合宿は、基本的に研究班ごとで現段階の研究を発表し、各自がフィードバックをしていく形式をとり、研究の質を高めていくといった位置付けで行います。
(※ 夏合宿の記事は こちら )



なので、合宿前は特に気合が入るのです!私たちの班も、文献に加えて今まで行ったインタビューの情報を盛り込み、万全を期して臨みました!

しかし、フタを開けてみるとなかなか辛辣なコメントが・・・
特に問題だったのが、NPS研究会でみられる事象を理論にあてはめようと意識するあまり、その面白さが伝わらないという点でした。
たとえば、「従来の組織学習論でいわれてきた学習のジレンマを、NPS研究会では「一業種一社」という制度を設けることで、それを回避し、互いに教えあう環境が生まれている」といった説明を羅列したところで、NPS研究会で起きていること、効果的に学習しているそのメカニズムを十分に描くことはできません。

そこで、私たちの今後の研究の進め方として、まず事例研究としてのケースを書いてみるということになりました。その際、あまり理論のことを意識せずに、単純にNPS研究会のすごさが伝えられるよう、事例を整理して書いてみては、というアドバイスをいただきました。
せっかく集めた情報が、理論に引っ張られてつまらないものになってはもったいない。研究を面白いものにするためには、まずケースを書いてみるという方法もあるということを学びました。

ちなみに、ケースを書くときのお手本として、西尾先生の『伝統産業のビジネスシステム―350年間続くサービス産業「京都花街」のダイナミズム―』(一橋ビジネスレビュー)を参考にすることになりました。この研究は「何故京都花町は350年にわたりサービス産業として継続してこられたのか」という大きな問いに対して、制度という観点から説明しているものです。芸舞妓の人材育成の仕組みから、お茶屋を中心とする取引制度に触れ、「京都花街」で起きている様々な事象を、上手く描いています。

私たちの班もこの論文のように、NPS研究会の全体像とその面白さを上手く伝えられるように、ケースを書いていこうと思います!

それでは!

2011年12月6日火曜日

NPS研究会会長へのインタビュー!

こんにちは。お久しぶりです、平田です!

前回はNPS研究会の会員会社の方にインタビューを行いましたが、今回はなんと・・・・・僕らの研究しているNPS研究会の創始者であり、 NPS研究会の運営会社であるMIPの会長兼社長である、木下幹彌様とNPS推進室長の川崎享様へのインタビューを敢行してきました!!
( NPS研究会についてはこちら )


NPS研究会自体が多くのメーカーの集合体であるということを考えれば、本当に偉大な方とお会いすることができたのだと感動しています。前回もそうでしたが、我々のような学生という身分でこんなにも偉い人にお会いしていただけるなんて滅多にあるもんじゃ無いと思います!なにせ会長の中の会長と言っても過言では無いのですから。
さすがNPS研究会の創始者ということだけあって年齢を思わせないほど(昭和4年生まれだそうです!)、熱意に溢れた方でした!  「なにも隠すことはない。」とどっしりと構えていながらも優しくお話をしていただき、楽しいインタビューでした。

今回のインタビュー先は創始者の方であるため、どのような経緯でNPS研究会ができたのか、NPS研究会のそれぞれの取り組みがどのように行われているのかということを中心に伺いました。さまざまなことを伺うことができたのですが、今日は印象に残った一つを紹介したいと思います。

それは「社長の志」についてです。
NPS研究会ではNPSという経営システムを会社に導入するにあたって、社長の志というものを本当に大事にしているのだなと思いました。まず、NPS研究会では「NPSを企業の経営思想として共鳴・共感する社長であること」 という入会資格を設けているんです。しかし、すぐに入会できるわけではなく、本当にやる気があるかどうかを判断するための試用期間が長くて3年もあって、そこで見込まれてやっと入会という厳しい道程なんです。木下会長も「工場長に社長権をあげるくらいのつもりでやらないとだめだ」とおっしゃっていました。本当に社長が自ら先頭に立って現場を想って推進していかないとだめなんですね。

「モノづくりはヒトづくり」ともおっしゃっていましたが、やはりヒトをつくるのはヒトで、その鏡となる人物が社長なんですね。かくいう木下会長もその社長を束ねる長としての鏡たる方でした。話の随所に現れる「志」や「思想」、「理念」といった言葉にはとても重みがありました。実際に会長は自社株を一つも持っておらず(創設者にもかかわらずですよ!)、会員会社が全部持っているのだそうです。それは「真剣勝負をしないと今日にでもクビになる」ようになっているのだとか。まさに社長の鏡なのではないかと思いました。

「日本のモノづくりの思想を後世に伝えていく」という大きな志をもった会長のお話を伺うことで、組織におけるトップの重要性を書籍ではなく、肌で感じることが出来てよかったなあ。としみじみ思いながら今日は筆を置くことにします。

12月に冬合宿があるため、これからフィールドワークで得た情報をまとめていこうと考えています。次回は冬合宿の様子をお知らせしたいと思います!

2011年11月28日月曜日

NPS研究会 会員会社へのインタビュー!(初)

こんにちは、村上です。
やっと研究対象であるNPS研究会の会員会社の方にインタビューすることができました!フィールドに出てインタビューを行うことが井上ゼミの調査の特徴と以前のブログで書きましたが、4月ごろチームを組んで、やっと11月末に対象企業にインタビューに行くという井上ゼミらしくない研究スタイルになってしまいましたが、とりあえずインタビューに行くことができてホッと一息。

インタビュー先は「株式会社キッツ」(企業webサイトはこちら)というバルブを作っている会社の方した。売上高にして500億円以上という大きな会社の方にインタビューすることが出来ました。しかもなんとお会いして下さったのは取締役会長とNPS社内実践委員をやっていらした技監のお二人でした!我々のような学生にお会いしていただけるなんて本当に感動的でした。紹介してくださった松尾先生には感謝してもしきれません。

また前回、松尾先生から「学習や模倣のフレームワークをしっかりと押さえること」とアドバイスをいただいたため、インタビューに行く前までに学習論のレビューを行いました。CiNiiなどで論文を検索し、たくさんの論文を読み、インタビューに備えました。
このようにしっかり準備をした今回のインタビューで聞けたことはなんなのか。
・学習のジレンマを引き起こさないために同業他社は研究会に入れないこと。
学習のジレンマというのは、お互いに「自分は教えたくないけど、相手には教えて欲しい」という状況になってしまい、結局どちらも何も学べなくなってしまう状況のことを指します。これは「学ぶ相手が競合企業」ということが原因になり、強みが流出してしまうことを危惧し起こってしまいます。NPS研究会では競合企業を入れないことによって、原因を取り除き学習のジレンマが起こらないようにしていることがわかりました。

・会員企業同士でフィードバックをしあい、学習効果を高めていること。
報告会や工場見学などで会員企業同士が、とても厳しくフィードバックすることが頻繁にあるそうです。これによって、自分たちだけでは上手くできなかったことも死に物狂いで行なうようになり、学習が成功するようです。

・組織には慣性の力が働くため、新しいものを浸透させる際にはたとえ自分が嫌われ役になろうとも推し進めなければならないということ。
組織には「そのままでいたい!」というような力、すなわち慣性の力が働きます。新しいものを導入する際には、この慣性が障壁となります。これを乗り越えるためには嫌われ者になることも辞さない強烈なリーダーシップを持つことが重要だそうです。また一度新しいものを導入することができても、すぐに元に戻そうという力が働くため、少しでも傾向が見られたら、すぐに正すことが大切ということもおっしゃっていました。

これ以外にもたくさんのことを伺うことができました。やはり経営陣の方というだけあって、非常に多くの知見が頭の中に蓄えられており、一言一言がとても勉強になりました

今回はNPS研究会の会員会社の方にお話を伺いましたが、会員会社だけの意見だけではなく、運営している側の意見もお聞きしたいと考えております。次回はNPS研究会を運営している方へのインタビューをお届けします。

2011年11月14日月曜日

首都大学への訪問~チャンス到来~

こんにちは、NPS班の浦谷です!
前回のブログで平田が少し書いていましたが、今回は以前インゼミでお世話になった首都大学の松尾先生へのご相談が実現したので、そのことについて書かせて頂こうと思います。(松尾先生、この件については本当にありがとうございました!!)

松尾先生は自動車産業を専門分野とし、調査手法に関しては主にグラウンデッドセオリー・アプローチをとられている方です。グラウンデッドセオリー・アプローチとは、簡単に説明すると、対象の観察やヒアリングいった質的調査を通して収集した情報から、具体的な分析法を提示し、新たな理論の構築を目指す調査手法のことです。詳しく知りたい方はグレイザーストラウス著、後藤隆水野節夫大出春江訳(1996)『データ対話型理論の発見調査からいかに理論をうみだすか』を参考にしてみて下さい。
定性研究となる私たち自動車班は、かねてからご相談を熱望しておりました。
井上先生の紹介のもと、松尾先生は快く引き受けてくださり、今回首都大学へ訪問しました。
松尾先生にNPS研究会についてお聞きしたところ、以前NPS研究会について調査をしていたことがあり、また、そこでのトレーナー教育を受講し実際に工場のラインで改善活動をしたことがあるということがわかりました!
(「自ら現場にいかなければ、本当にわかったことにはならない。」という松尾先生のお言葉、研究者としての姿勢に感銘をうけました!)
私たちは、このような他に類を見ないNPS研究会の成り立ちや実際にどのような指導が行われているかという点に興味を持っていたため、トレーナー教育の様子などをお話していただきました。そして最後に、当時の調査分析報告書を電子資料にして下さり、また、なんとNPS研究会の会員企業に紹介してくれるとおっしゃって下さいました!!
今まで文献や書籍をひたすら漁ってきたNPS班にとって、これはとても大きなチャンスです!!

また、インタビューにかんする注意事項も教えていただき、現場での意見に流されすぎて結局聞きたいことが聞けなくなってしまうこともあるため、模倣や学習に関するフレームワークをもっと抑えた方がいいという松尾先生のアドバイスをいただきました。このアドバイスのもと、きたるインタビューの日に備えていきます!
次回のブログでご報告できればと思います。

それでは!

2011年10月20日木曜日

インタビューに必要なもの

こんにちは。自動車班あらためNPS班です。これまで自動車業界を対象にしていましたが、対象がNPS研究会に変わったため、チーム名も変更になりました。
(※ 研究対象が自動車からNPSに変更になったさいの経緯はこちら )


今回は平田が担当します!今日はなんと、インタビューのアポ取りのメールを送りました!

井上ゼミでは、研究のさいにフィールドワークを行うことを特徴としています。フィールドワーク先でインタビューを行うことによって、書籍などでは現れない現場に眠る情報を掘り起こすことを目的としています。

私たちが研究しようとしているものを研究していた先生がいるのですが、その先生の著作を全部読んで知識もついたし、フィールドワークにいけるだろうと。その先生の最新だと思われるアドレスには届かなかったので古いと思われる方(以前在籍していた大学のアドレス)にダメ元で送りました。

そしてもう一件、インタビューのお願いをしました。一度インゼミを行った首都大学の松尾先生を井上先生に紹介していただきました!(本当にありがとうございます!)
これでやっとインタビューに行けるわけですが、これがなかなか難しいですよね。

話は僕がゼミに入りたての時になるんですけどね。井上ゼミでは2年の秋からゼミが始まってそこから3年になるまで「事業コンセプト分析」というのを行います。ある企業の強さを「だれに・なにを・いかに」という見方で分析します。ざっくりいえば「◯◯社は、どういう顧客に、どんな価値を、どういう仕組で提供して競争優位を築いているのか」というのを分析するんです。
(詳しくはこちら )


その時もインタビューをしに行ったんですよ。あの時は訳もわからず現場に行って話を聞こうとしてたんですけどね・・・

「君たちはどういう研究をしているの?」
「私たちの会社のどこを知りたいの?」
「今日の話の着地はどこなの?」
「君たち聞きたいこと聞けてるの?」
「今日はこんなインタビューでよかったの?」

みたいな言葉を店長さんに浴びせられたことは今でも忘れません。

ただただ話を聞きに行くだけじゃなにもならないんです。今思うと「仮説・命題」なしにインタビューに行くなんて、って思います。こんな風にあまり調べずに”とりあえず”インタビューに行ってしまうと、「そんなの本に書いてあるじゃないか!」と怒られるのが関の山。「よく知っているね!」と言ってもらえるようにならないと、なかなか心を許してくれないこともあります。これまでの経験を振り返ってみると、上手くいったインタビューはだいたいしっかりと準備していったインタビューです。準備をするということは書籍や論文を読んで、研究対象を理解することだけではなく、インタビュー前に「ここが匂うのではないか」といくつかネットを貼っておくことが重要です。

と、いうことで僕達も書籍・インターネットでたくさん情報を集めたので、そこから仮説を考えて今度のインタビューを意味あるものにしたいと思います!



それでは!

2011年10月5日水曜日

方針転換

こんにちは、村上です。夏合宿で先生に「トヨタ生産システムの模倣を異業種の事例を含めて調べてみたら」というアドバイスをいただき、日経テレコンと格闘する日々。その時の苦労は浦谷が書いてくれています。
(前回の記事はこちら)

数千件の記事と一週間格闘し、得た情報を1記事ずつスライドに落としていきました。大変なだけあって得たものも大きかったです。(全ての記事の内容を覚えるわけではないですが)まとめていると頭の中にぼんやりと各々の記事で共通していることや面白そうな事象が浮かび上がってきます。各自分担したものの中で、面白そうな事象を持ち寄り共有。
トヨタ生産システムを源流とする新たな生産システム、および経営哲学の習得・推進を図るコンソーシアム型の異業種のメーカー集団、「NPS研究会」という事例があったので「次の発表はこのコンソーシアムについて発表しよう」と決めました。
(※ NPS研究会ホームページ )


なぜ私たちの班がこの事例を選択したのか。私たちが見た記事では、コンサルタントを雇ったり、トヨタ生産システムに精通した人をヘッドハンティングしたりという事例がほとんどでした。この「NPS研究会」は、指導員と会員企業40数社が互いに改善のための指導、情報共有などをし、同志的結合の中で学習しあう、他に類のない組織であり、模倣・学習のエッセンスを探るのに、うってつけの題材だと考えたのです。


・NPS研究会の会員企業一覧

他とは異なる事例には、必ずといっていいほど面白さが潜んでいます。そのため、私たちは「NPS研究会」という珍しい事例を対象にすることとしました。

本当であれば一刻も早くフィールドワークに行きたいのですが、フィールドワークの相手が役員クラスになってしまうため、なかなか行くことができません。

研究を開始した当初は製薬・証券、その後自動車業界、そして製造業全般と、まさか研究を始めた当初はこんな方向性になるとは思っていませんでしたが、コンソーシアムへと方向性が変わってもこれまで身につけた知識が無駄になるわけではなく活用できます。勉強してきた知識を活かせるよう、早くフィールドワークにいきたいです!

2011年9月17日土曜日

夏合宿を経て~情報との格闘~

こんにちは!
秋も近づき、すっかり肌寒くなった今日この頃、皆様いかがお過ごしでしょうか。私、浦谷が夏合宿後の活動について書かせて頂きます。

私たちは夏合宿で、「トヨタ生産システムが模倣された事例を集めたほうが良い」というフィードバックをいただいたので、それをもとにトヨタ生産システムを模倣したケースを調べていくことにしました!

まず、同業種では、「移転」や「ハイブリッド化」などの概念で、既に多くの研究がなされているので、文献のレビューを進めていきました。

すると、フォードのエルモシージョ工場、フラットロック工場などがリーン生産システムを選択的・部分的に模倣していること、オペルやルノーが複数のモデルから学習し、新たなモデルを生み出していることなど様々な事例を見つけることができたため、現在それらを体系的にまとめていく作業をしています!

そして、異業種では、日経テレコン21というサイトでたくさんのキーワードを検索にかけ、ひたすら日経の記事を漁っております。数千件という想像していた以上の量が検索にひっかかり、嬉しい反面、取捨選択の難しさを痛感しております。




もはや、製造業にとって、トヨタ生産方式はスタンダードになっているといっても過言ではないのかもしれないですね。しかし、その中でも当然成功・失敗があるわけで、模倣する部分も違ったりするわけです。

膨大な量のデータをまとめ、考察しながら、何か面白い仮説が浮かべばいいのですが…

そんなこんなで、もうすぐゼミが始まり、次回の発表の日が来る前に、一つ何かしらの形ができたらと思っております。いいFBがもらえるよう、がんばるぞ!!!
それでは。

2011年9月3日土曜日

夏合宿@軽井沢セミナーハウス

こんにちは、自動車班の平田です!
先日の826日〜28日は長野県の軽井沢セミナーハウスで夏合宿を行いました。
(※ 合宿までに行ったことはこちら)

井上ゼミの研究スタイルは「グループワーク→発表→フィードバック(同期・院生・先生)→グループワーク→…」の繰り返しです。
合宿では発表を行い、フィードバックを受け、またグループワークを行いました。




たくさんの班があるため、発表が長丁場になりましたが、さすが井上ゼミ、どの班も夜遅くまでグループワークを行なっていました。朝の5時までやっていた班もあるそうです。

例年では、この時期には仮説が浮かんでいて当然なのですが、私たちの班はそこまで達することができていません。悔しい!今のところ「トヨタ生産システムがどういったものなのか」、「各企業はどのように模倣しようとしたか」ということがわかってきた程度です。
事例の選択で右往左往してしまったため、なかなか先に進めていませんが、合宿で先輩が「数々の失敗の上に成功はあるんだ!」ということをおっしゃっていたので、落ち込まずに励みたいと思います!良くも悪くもこの班には悲観的な人がいないし、根性あるのでめげません!諦めません。勝つまでは。

合宿では「トヨタ生産システムの模倣を異業種含めて調べてみたら」とフィードバックがあったので、これから事例をたくさん集めなければならないということがわかりました。たくさんの事例を見ていかないと、仮説を導出するのは難しいからです。

と、いうことで我々の班は残りの夏休みを日経テレコン(日経新聞記事検索)や図書館に捧げることになりそうです!今後に期待していてください!

ではみなさん、研究頑張りましょう!

2011年8月30日火曜日

合宿までに行ったこと

こんにちは、自動車班の村上です。
826日から28日に長野県の軽井沢セミナーハウスで合宿を行ったのですが、それまでに私たちの班が行ったことを紹介します。

理論の理解 : 模倣
私たち井上ゼミ8期の大きなテーマは「模倣」です。企業は何かをしようと思ったときに、過去の経験や他社の行動を参照し、行動します。参照し、行動する「模倣」というプロセスを解き明かすことが私たちのテーマです。

まずこの「模倣」を理解するため数本の論文と『COPYCATS』という英語の書籍を輪読しました。模倣には「製品レベル」と「仕組み・事業レベル」の模倣がありますが、私たちは「仕組み・事業レベル」の模倣に焦点を当てています。
(輪読 : 簡単にいうと同じ文献を読み、ゼミ生で集まって議論を行い、理解を深めていく読み方です。)

事例のピックアップ
「模倣」という「事例を見るレンズ」は決まっているため、どのような事例を選択するかが次の問題となってきます。そこで私たちは製薬業界・証券業界・自動車業界の3つの業界をピックアップしました。順にその理由を述べていきましょう。

・製薬業界をピックアップした理由
製薬業界では薬の特許が切れると、他の会社がジェネリック医薬品(後発医薬品)を相次いで製造します。これを模倣行動と考え、ピックアップしました。また、製薬業界では「2010年問題」という、2010年前後に大型医薬品の特許が相次いで切れるという問題があるため、ホットなトピックであったのも理由の1つです。

・証券業界をピックアップした理由
証券業界では以前は対面が基本でしたが、松井証券という証券会社により、電話、そしてインターネットという新たな方法が登場しました。松井証券がネット証券を始め、その後他の企業が追随するという行動を観察することができました。このため模倣というレンズにぴったりであると思い、ピックアップしました。

・自動車業界をピックアップした理由
自動車業界では大野耐一氏らによって作られた「トヨタ生産システム」が、1980年代以降大きく注目され、世界中の企業がトヨタ生産システムを取り入れようと躍起になりました。
(※ トヨタ生産システムにかんしては大野耐一(1978)『トヨタ生産方式』で詳しく述べられています。)
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このように多くの企業がトヨタ生産システム導入に挑戦した事例があるため、自動車業界をピックアップしました。

事例の選択
次にピックアップした事例を選別する必要があります。選別を行った結果、自動車業界に焦点を置こうと決めました。ではまたその理由を述べていきましょう。
製薬業界では多くの模倣が起こっていますが、ジェネリック医薬品の製造であるため、製品レベルの模倣となってしまいます。このため製薬業界は×。
証券業界では仕組み・事業レベルの模倣であり、非常に面白い事例だと思ったのですが、事例を描写したものがなく、またフィールドワークの実現可能性があまり高くないと判断したため、証券業界は×。
自動車業界の模倣行動は、論文・書籍などによって追うことができるため、自動車業界を選択しました。
このように事例の選択の際は調べたいことはもちろんのこと、調査可能性も含めて考えなくちゃいけないんですよね。事例選択の時点で研究の良し悪しが決まるといっても過言ではないですね。


業界の理解―
業界が決まったら、その業界の理解を深めることが必要です。業界を理解する方法としては、書籍を読むことや、論文を読むこと、そして日経新聞社や日経BP社の記事を読むこと、そしてフィールドワークなどがあげられます。
私たちは合宿までに業界の理解を行うため、書籍・論文を大量に読みました。なかなか骨の折れる作業が続きますが、次々と新しい知識を得ることができるため、楽しく行うことができています。(昔、井上ゼミのある先輩が「その業界のオタクになれ!」と言っていたのを思い出しました。笑)

次回は、合宿での報告を行います!
それでは。

2011年8月21日日曜日

メンバー紹介

さーて、始まりましたね!卒論ブログ!こんにちは、自動車班です。今日はメンバー紹介したいと思います。

井上ゼミでは2年後期に入ゼミしてから、卒論にいたるまでチームで研究にあたることが多いです。私たちの班は3名で活動しています。

No.1浦谷泰成
アイデアマンというよりは熟考して出てきた一言がメンバーに気付きを与えるタイプ。ただ黙っているわけじゃなくて、しっかり考えてるんですよ。ゼミでは最後の方に流れを意識したまとまった意見を言うタイプです。
基本に忠実。「定義」が重要。モデルとなる理論や考え方をしっかり自分に落としこんでから個別具体な現象を見つめられる、そしてちゃんと現象から理論に立ち返れる、そんな人間です。
根性の塊、泥臭さ、追い込みに定評アリ。NEVER GIVE UP

No.2 村上諒陛
別名、村上大先生。そのニックネーム通り、キレキレな人です。
とても純粋で頑張り屋さん。アツイ男。人一倍文献や本を読んでいるのではないかと。
その思考のプロセスはよくわからないけれども、疑問や問題点を見つけるのが得意。
「確かに!」と思わせる発言が特に多い。勉強熱心だからかな。頼りになる存在です。
ゼミでは斜に構えているように見えるけど、実は一番組織想いなんです。

No.3 平田康二
今これを書いています。
お酒が大好き。ゼミではムードメーカーとして活躍してます。
楽しくやろうよ、というスタンスです。どんな環境であっても、どんなに辛くても、そこに楽しさを見いだせる人間ってステキだと思うんですよね。「楽をする」って意味じゃなく。だからゼミが、卒論がどんなに辛くても頑張りたいし、楽しみたいと思ってます!
卒論を2年半のゼミ生活の集大成だと思って頑張ります!
ゼミの卒業パーティーでみんなで涙の美酒を口にする瞬間を夢見て。

と、いうことでむさくるしいですが、男3人で活動しています!
これから研究のプロセスを紹介していきますが、どうぞよろしくお願いいたします。